第18回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展でIbashoプロジェクトが展示

2023年5月20日~11月26日まで、イタリアで第18回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(以下、ビエンナーレ)が開催されています。

ビエンナーレのシンガポール・パビリオンで、ワシントンDCの非営利法人・Ibasho岩手県大船渡市(居場所ハウス)、フィリピンのオルモック市ネパールのマタティルタ村で行った3つのプロジェクトが紹介されています。

シンガポール・パビリオンのテーマは「When Is Enough, Enough?」*1)。都市における「包摂」(inclusion)、「つながり」(connection)、「自由」(freedom)、「愛着」(attachment)、「魅力」(attraction)、「主体性」(agency)という6つの価値は、通常、数値では測定することが難しい。それでは、都市を建設する時、建築家や研究者はこれらの価値をどのように測定し、どの時点で「もう十分である」と判断できるのか。シンガポール・パビリオンの展示はこのような問題提起を投げかけるもの。

展示では、6つの価値を写真と文章で紹介し、中央には、来館者が価値を投票するための機器が置かれています。機器は、例えば、緑の多い環境と開発され切った環境を両極端とする場面がリニアで提示され、それぞれの来館者はどの程度の緑の多さ/開発のされ具合が好みかをボタンを押して投票。ボタンが押されると、白い紙に黒い線が引かれます。これが繰り返されることで、人々の緑の多さ/開発のされ具合の傾向が、白い紙に模様として現れるというものになっています。

(シンガポール・パビリオン)

ワシントンDCのIbashoの代表がシンガポールと関わりがあり、現在、シンガポールでIbashoプロジェクトの立ち上げが進められている関係で、これまで、Ibashoが立ち上げに関わり、サポートしてきた3カ国のプロジェクトの写真が展示されることになったとのこと。会場では、3カ国のIbashoプロジェクトの何枚かの写真が、「主体性」(agency)、「愛着」(attachment)、「つながり」(connection)、「自由」(freedom)という価値を紹介する写真の一部として展示されています。

(Ibashoプロジェクトの写真)

ビエンナーレは2023年11月26日まで開催されていますので、ぜひシンガポール・パビリオンにもお越しください。


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